屋根のカバー工法とは、古くなった屋根材をそのまま残して、その上から新しい防水シートや屋根材を被せる工事方法です。
塗装では対応できないほど屋根材の劣化が広がっている場合や、費用を抑えて屋根材のリフォームをしたいという方には、カバー工法がオススメです。
葺き替えの場合は既存の屋根材を撤去する必要がありますが、カバー工法は既存の屋根材を撤去しない工事方法なので作業時間が短くなり、葺き替えよりも早く工事を終わらせることが可能です。
さらに、撤去にかかる人件費や処分費なども発生しないため、費用を抑えて屋根材を新しくできるというメリットもあります。
カバー工法を行った屋根は、屋根材が二重になっている状態となるため、外の音や冷気が室内に伝わりにくくなります。そのため、カバー工法によって遮音性・断熱性の向上が期待できます。
葺き替えを行う際は、既存屋根材の撤去時に騒音やホコリが発生してしまいますが、カバー工法の場合は屋根材を撤去する必要がないため、葺き替えに比べて騒音やホコリなどを抑えられるメリットがあります。
また、カバー工法はアスベストを含む屋根材にも施工可能です。
アスベストを含む屋根材を使用している分には基本的に害はありませんが、屋根材の撤去時にアスベストが飛散するリスクが高まるため、葺き替えを行う場合は十分な注意が必要です。
屋根材を撤去しないカバー工法であれば、アスベストが飛散する心配もなく、アスベストの処理費用もかかりません。
カバー工法によって屋根材が二重になると屋根の重さが増えるため、その分建物への負荷も大きくなり、結果的に耐震性が低下してしまう可能性があります。
既存の屋根材が日本瓦の場合は、瓦自体が非常に重いため、さらに重量が増えるカバー工法は向いていません。
屋根材の劣化だけでなく、下地にまで劣化が進行している場合は、カバー工法は行えません。
たとえ屋根材を新しくしても、下地が劣化した状態で施工をすると耐久性が低下したり、雨漏りに発生してまうからです。
そのため、下地の劣化が激しい場合は葺き替えを行い、屋根材を撤去して下地を補修する必要があります。
カバー工法を行うとどうしても屋根の重量が増えてしまうので、できるだけ屋根に負荷がかからないように、新たに被せる屋根材の種類は軽量なものに限られます。
一般的によく用いられているのは、金属製のガルバリウム鋼板やアスファルトシングルといった屋根材です。
火災保険を使用して屋根修理を行えるケースがありますが、カバー工法の場合は火災保険を使えない可能性が高いです。
前提として、火災保険が適用されるのは「元の状態に戻す工事」です。しかし、カバー工法は屋根材を上から被せる工事なので、元の状態に戻す工事とは言えず、火災保険の適用外となってしまいます。
屋根のカバー工法にかかる費用は、一般的な戸建て住宅で70万～200万円が相場です。ただし、使用する屋根材の種類や屋根の面積などによっても変動します。
また、カバー工法を行った場合の耐用年数も屋根材によって異なりますが、一般的には20年～25年程度となります。
屋根カバー工事をする前のお写真です。
板金の取り外しを行います。板金は釘で固定されているので、工具を使用して取り外します。
板金の取り外しを行います。板金は釘で固定されているので、工具を使用して取り外します。
軒先の板金を新しく取り付けます。
軒先の板金を新しく取り付けます。
棟下地（貫板）の木材を取り外します。こちらの木材も釘で固定されているので工具を使用します。
棟下地（貫板）の木材を取り外します。こちらの木材も釘で固定されているので工具を使用します。
防水紙（改質アスファルトルーフィング）を軒先から棟先に向けて敷設していきます。
防水紙（改質アスファルトルーフィング）を軒先から棟先に向けて敷設していきます。
防水紙（改質アスファルトルーフィング）張り完了。
棟木（貫板）を新しく取り付けます。釘で木材を設置し、防水紙と共にズレないように固定します。
棟木（貫板）を新しく取り付けます。釘で木材を設置し、防水紙と共にズレないように固定します。
屋根材を屋根面に張り付けていきます。釘もしくはビスで屋根材を固定します。
屋根材を屋根面に張り付けていきます。釘もしくはビスで屋根材を固定します。
平場の屋根材張り付けが完了になります。
平場の屋根材張り付けが完了になります。
棟部分にも、防水紙を敷設します。
棟部分にも、防水紙を敷設します。
棟板金を新しく取り付けます。外側を固定するビスは、錆びにくいステンレス製の物を使用します。
完成後のお写真になります。
屋根カバー工事をする前のお写真です。
軒先の板金を新しく取り付けます。
防水紙（改質アスファルトルーフィング）を敷設していきます。
防水紙（改質アスファルトルーフィング）を敷設していきます。
防水紙（改質アスファルトルーフィング）を敷設していきます。
棟木（貫板）を新しく取り付けます。釘やコーキングを使用し、防水紙と共にズレないように固定します。
棟木（貫板）を新しく取り付けます。釘やコーキングを使用し、防水紙と共にズレないように固定します。
屋根材を屋根面に張り付けていきます。釘もしくはビスで屋根材を固定します。
屋根材を屋根面に張り付けていきます。釘もしくはビスで屋根材を固定します。
平場の屋根材張り付けが完了になります。
棟部分にも、防水紙を敷設します。
棟板金を新しく取り付けます。外側を固定するビスは、錆びにくいステンレス製の物を使用します。
棟板金を新しく取り付けます。外側を固定するビスは、錆びにくいステンレス製の物を使用します。
棟板金取り付けが完了になります。
完成後のお写真になります。
完成後のお写真になります。
太陽光パネルを設置する場合は下地の補強が必要になるため、既存屋根の劣化状況によっては太陽光パネルを設置できない可能性があります。
将来的に太陽光パネルの設置を考えている方は、事前に業者と相談したうえでカバー工法を行うかを決めることが大切です。
基本的にカバー工法を行えるのは、1度だけです。
既にカバー工法を行った屋根にもう1度カバー工法を行うと、屋根の重量がさらに増えてしまい、耐震性が低下する原因となります。
1度カバー工法をしている場合で、塗装では対応できないほど劣化していたり、屋根材の耐用年数を迎えている際は、葺き替えによる修繕工事を行うことになります。
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