マンションの修繕工事の目的は、主に次の2点が挙げられます。
1つ目の目的は、劣化を抑えて資産価値を守ることです。
建物は常に紫外線や雨風などの影響を受け続けているため、年月の経過とともに様々な劣化症状を引き起こします。そして、メンテナンスをせずに劣化を放置していると、耐震性の低下や雨漏りの発生といったトラブルに繋がってしまいます。
さらに、外壁材の欠落によって入居者や車を傷つけてしまったり、雨漏りによる水濡れで家財に被害が及んでしまうと、入居者にも多大な迷惑とストレスを与えることになるので注意が必要です。
また、雨漏りや建材の劣化、設備の故障などは入居者の生活にも大きく関わるため、これらの問題を放っておくと退去者が増えたり、マンションの価値が低下して家賃を下げなければならない事態にも発展してしまいます。
マンションのオーナー様にとっても資産価値の維持は重要なポイントとなるため、定期的に修繕工事を行って劣化の進行を抑えることが大切です。
2つ目の目的は、美観の向上です。
物件を探しているほとんどの人は、出来るだけ綺麗でお洒落なところに住みたいと考えているでしょう。そのため、外観が汚れや破損などが理由で、入居を渋ってしまう可能性もあります。
また、汚れや劣化を放置しているとマンション全体が暗く、清潔感の無い印象になり、オーナー様への信頼性が低下してしまう恐れもあります。
修繕工事は高額なのでなかなか着手できないオーナー様も多いかと思いますが、マンションの綺麗さやデザインは、入居者の満足度が上がるだけでなく入居率アップも期待できるため、将来を見据えた定期的な修繕工事が重要となります。
外壁の劣化が進むと塗膜の剥がれやひび割れなどを引き起こし、やがて建材の破損や雨漏りにまで発展します。建材の破損や雨漏りは建物全体に多大なダメージを与えてしまうため、定期的に外壁の塗り替えを行い、塗膜による保護機能や防水機能を回復させることが大切です。
さらに、マンションの美観は入居率にも関わるため、外観を綺麗にしたり、流行りのデザインを取り入れることで、入居者の増加も期待できます。
マンションの屋上はほぼ平面になっているので、雨水が溜まりやすい場所と言えます。そのため、防水工事を行って、雨水が建物内部に浸入するのを防ぐ必要があります。
雨漏りが発生するとシロアリやカビの発生、木材の腐食、家財の水濡れなどの二次被害に繋がり、最悪の場合は建物の耐震性による倒壊や、漏電・火災といった事故が起こる可能性もあるので大変危険です。
普段から屋上の状態を見ることは少ないかと思いますが、紫外線や雨風の影響を受けやすい部分のため、定期的に修繕工事を行って防水性を高めることが重要です。
ベランダやバルコニーの床面も、屋上と同じように防水工事が欠かせません。
また、階段や廊下からも雨水が浸入する可能性があるため、共用部分にも防水工事を行います。共用部分が綺麗であれば、入居を検討している方にも良い印象を与えることができるでしょう。
外壁の繋ぎ目や窓サッシ周りなどには、伸縮性のあるシーリングと呼ばれるゴム状の部材が施工されています。
シーリングの役割は、建材同士の隙間を塞いで雨水の浸入を防ぐことです。さらに、シーリングはクッションのような役割も果たしており、車の振動や地震が発生した際に建材同士がぶつかり合って破損するのを防止します。
シーリングは経年劣化によって割れや剥がれなどが発生するため、定期的にシーリングを埋め直す必要があります。シーリングの劣化を放置していると、雨漏りの原因になるので注意しなければなりません。
玄関ドアは耐久性が高いため、劣化も少ない部分にはなりますが、メンテナンスを怠ると傷や汚れが目立つようになり、結果的にマンション全体の美観が損なわれる原因となってしまいます。
玄関ドア工事の内容としては、塗装や専用シートの貼り付けで見た目を綺麗にする方法や、ドア自体を交換する方法などがあります。
自転車を日常的に使う人にとっては、駐輪場の綺麗さや利便性もとても重要なポイントとなります。
駐輪場が整備されていれば、入居者の満足度が上がるのはもちろん、入居を検討している人にも良い印象を与えることができるでしょう。また、放置自転車の有無が把握しやすくなるメリットもあります。
駐輪場の改修工事の方法は、自転車ラックの設置やサイクルポートの交換などがあり、駐輪場の広さによって使いやすい環境を作ることが可能です。